在宅栄養ニーズは在支診等に連動
では、訪問栄養食事指導の指標(目標値)はどのように考えるでしょうか?ベースになるのは、地域で訪問診療を受ける患者の数や、訪問診療が提供可能な医療機関の数です。
ご存じの通り、看護・リハビリ・栄養指導等は「医師の指示」のもと提供されるのが原則です。在宅へアプローチできる医療機関の体制整備があって成立するサービスであり、つまり、前述の「医師・歯科医師の定期的な診察と適切な評価に基づいた指示」が非常に重要な意味をもつことになります。今回の取りまとめでは、従来の在支診・在支病の数に加え「機能強化型在支診・在支病」、つまり在宅医療をより積極的に提供する医療機関数も指標化するとしています。
例えば、私が今住んでいる北海道名寄市は在宅療養支援診療所(在支診)が1カ所のみで、訪問看護3カ所、訪問歯科は2カ所です(22年末時点)。「病院・施設中心型ケア」で、在宅医療を受ける患者の多くは終末期。体力の維持や「食べる喜び」の実現へ、果たせる役割はもちろんありますが、退院後数日~数週間で亡くなる方も多く、なかなか在宅栄養のニーズが上がってきづらい地域ではあります。
また、現状は在宅栄養のほとんどが介護保険の居宅療養管理指導で提供されています。24年度は医療・介護同時改定で、各計画のスタートラインも同じです。在宅介護の需給状況も踏まえた医療計画が求められるでしょう。